僕、肌(カサカサ)男です。と冴えない顔で向井理の真似をするしょうもない僕が、そこからいかにしてうるツヤ肌になったのか*1

夢の中、皮膚を刺すような痛み、ささくれ立つ醜い唇の感触を指でなぞらえる。私のシャツに開いた指が通るとも通らない大きさのその穴を執拗に広げようとしたのは、心のケロイドに触れるべきだとこれから先に起こりうる事が示していたからなのだろう。それとなく頭を掻き、私は目覚めた。寝惚け眼に人間の基本心理の状態である不快が付き纏う。時を同じくして、携帯電話が鳴る。彼女からだった。前夜の行き過ぎた飲酒による二日酔いと、夢であって欲しいほどアルコールに水分を奪われ涸びた肌のせいか私は、悄悄としたかすれ声で今日の予定を話し始めた。小さな苛々を背負込んでいたのか、朝からいつどこで何をどうやらと時間を急かされたことに腹を立てた僕は、話も上の空で酒が弱くなったことを悔やんではうな垂れて、適当にずぼらな相槌を打っていた。生憎かかりつけの皮膚科はお休みだ。知人の勤めているその皮膚科は、皮油と頭垢を帯びた院長*1が優しく丁寧に診療を施しており、オピニオンも充実しているせいか、夕方は子供で溢れかえっている。薬欲しさに戸を叩くこともできない僕は、チューブに残る僅かなホルモン剤を搾り出し比較的酷い患部に塗りつけた。



続く。いや続かないか。オチがない。寝る

*1:容姿に信頼は置けるかは別問題